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だららんのそのそのほほん日記
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別に何もしてないのに疲れるのは、無駄に鞄が重いせいだと思う。
昨日何か言い忘れてると思ったら、学年分けについてでした。(ラピス)
ラピスの国、成人年齢16歳。それまで学校にほおりこまれてます。
初等:1-3年(小学1-3年生に当たる)、
中等:1-3年(小学4-6年生に当たる)、
高等:1-3年(中学1-3年生に当たる)
の計九年間義務教育(通常)です。はい。それだけです。
微妙に前、詳細奥庭にメモってたんですが(これ)、見直したら父父しか書いてませんですね。何の主張だ、父。

拍手ありがとうございました。
そろそろ地図かいてメモっとかないと皇都の東と西がわかんなくなってきました。もともと方角は苦手である。

追記。あさってたらキス企画のボツが出てきたのではっつけてみる。出だし2000字だけですが。
キスって言われて、初めに思い出したのはこっちだった。いつか出そう、いつか。懐かしい。

【泥棒とロボット】でだしおんりー
 
曇天の空には雪がちらついていた。
もう春も近いと言うのに、思い出したかのように降りだした雪。石畳の地面に落ちては、溶ける雪は、灰色の通りにぽつぽつと模様を添えていく。
真黒なシルクハットを頭に乗せた男は、かじかみだした手に呼気を噴きつけると、両手をこすり合わせた。はち切れそうなズボンから、でっぷりとした腹を揺すり上げ、最後に白い口髭を整える。
そうして彼は、仲間の一人に別れを告げた。
「それじゃあな」
「はい、団長」
 ウィンターは、シルクハットの男を見上げ、照れくさそうに破顔する。謝辞を述べようとしたウィンターを、男はウインク一つで止めた。
 戸惑うウィンターの頭上を、肉厚の大きな手が包み込む。
「達者でやれよ」
 言葉と共にウィンターの頭を押し下げた男は、がしがしと薄い青灰色の髪を掻きまわす。
ウィンターが、次に顔を上げた時には、シルクハットの男の背は既に翻っていた。くるりと回転した真黒なステッキが、曇り空に突き上げられる。
それを合図に、他の仲間たちも、一人、また一人とウィンターに別れを告げ、シルクハットの男に続いた。
遠ざかって行く仲間たちに、ウィンターは掲げた手を力の限り大きく振る。
やがて通りの先に消えてしまった影。
これからの日々への期待ばかりに溢れていたウィンターの心に、一抹の寂しさがよぎった。
 
 
 
「いつもご苦労さま」
 カラリコロリとドアベルを鳴らしながら、パン屋の女将は通りに面する店のドアを押し開いた。
 女将の満面の笑みと共に、ドアをくぐり抜けたウィンターは、二本のバケットが覗く紙袋を彼女から受け取る。バケットの他にも多種多様なパンが詰め込まれた紙袋は今にもはち切れそうである。小柄なウィンターが、抱えていることが加わって、パンの詰まった紙袋はやたら大きく見えた。
「ねぇ、ちょっと。大丈夫? 前が見えていないんじゃないの?」
 見かねた女将が声をかける。だが、ウィンターは「このくらい平気ですよ」と請け負うと、片側に紙袋を抱え直した。
「ありがとうございます、お嬢さん」
「やめておくれよ。こんな歳にもなって、いまさらお嬢さんも何もないよ」
 右手を上下に振って一笑してみせた女将に、ウィンターも曖昧な笑みを浮かべて取り繕った。
 彼方から教会の鐘が響いてくる。遠すぎる鐘は、ここからでは微かにしか耳に届かず、ウィンターはまるで幻想の中にいるかのような気分に陥った。だが、彼を現実に引き戻したのもまた、きっかりと四回分打ち鳴らされた夕刻を知らせる鐘だったのだ。
「……もう、行きますね」
 また来ます、とウィンターは、パン屋の女将に頭を下げると、数段ある階段を飛び抜かし、通りに降り立った。
「ウィンター」
 すぐに雑踏の一員となって歩き出したウィンターが、紛れて見えなくなってしまう前に、と女将は彼に声をかける。
 ウィンターは、振り返った。足は止めずに後ろ向きで歩き続けながらも、彼は、階段の手すりから身を乗り出している女将を見上げる。
「……いつか、また聞かせてくれると嬉しいわ」
「なら、いつかじゃなくて今度。今度、持って来ますよ。なんて言ったってピッコロは小さくて軽いですから」
 言って、ウィンターは空いていた左手を右頬の辺りまで持ってくると、軽やかに指を動かしてみせた。
「ええ。楽しみにしているわ。……ごめんなさいね」
「いいんですよ。お嬢さんの道ですから。いつも幸せそうで何よりです。それに、ここまで確認しに来るのがきっと僕の一番の仕事なんです。だから、お嬢さん。そんな顔しないでください」
 いつの間にか、憂いにばかり満ちていたらしい表情。指摘されて初めて気付いた彼女は「ええ……」と一人ごちるよう頷くと、決然とした口調で言い切った。
「ええ。幸せよ。あれから三年たつけれど、ずっと幸せ。だから、もうそろそろ何とかしなくちゃとも思っているの」
 不明瞭さの残る女将の言葉に、ウィンターはとうとう足を止めた。一体どういうことなのか、と開きかけた口。
けれども、パン屋の入口の階段を初老の女性が登っていったのを見て、ウィンターは口をつぐむことにした。再度女将に頭を下げ、くるりとパン屋に背を向ける。他の客が来てしまった以上、自分の為に時間を割いてもらうわけにはいかない。
目の端で、女将が挙げた手を振ってくれているのが映り込んだ。ウィンターは、そのことを嬉しく思いながらも、足を速めた。
傾き出した陽が、家々の壁だけでなく、通りの石畳までも黄金色に照らし出す。
夕飯の買い出しに来たのだろうか。それとも、仕事を終えて家路についているのだろうか。往来を行きかう人々は、昼間よりも多いようだ。
そこかしこが、心地好いざわめきに満ちている。柔らかな光が町にいる人ごと全てを包み込む瞬間が、ウィンターは昔から好きだった。
しかし、隣町まで出てきている今日ばかりは、うっとりと午後の光とそれらがもたらす空気を感じ入る暇はない。
他に何か買っておかなければならないものはあっただろうか、とウィンターはズボンの後ろポケットから、言付けの書かれたメモを取り出した。
右手には大荷物を抱え、左手にはメモを。ついでに言うなれば、手にしていたメモにばかり集中して、足元がおろそかになっていたのがいけなかったのだろう。
 結果、進行方向に、にょっきりと差し出された悪意ある他者の足に気付かなかったウィンターは、実に見事に、彼女の足に引っ掛かり、通りの真ん中で派手に転倒することとなったのである。
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