だららんのそのそのほほん日記
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突然えばーあふたー。
糖分不足でした現在。
山も落ちもないです。
糖分不足でした現在。
山も落ちもないです。
「トゥーアナは、髪を結ったりしないのか」
ふと。そう思って口にした。
椅子に軽く腰掛けて、手紙を読んでいた彼女は、面をあげる。
意外だったのか、虚をつかれたような顔をしているトゥーアナは、いつもにも増してひどく素面に見えた。
「髪を、ですか?」
そうだ、と顎を引く。
トゥーアナは考えるように首を傾げた。
耳に掛けられていた淡い金色の髪が流れて肩にかかる。
開け放たれた窓から迷いこんだ風が、ゆるやかに部屋の中を巡った。
絶え間なくたゆたうカーテンに、気を盗られたのか、トゥーアナは光の差し込む窓に向けた目を一瞬細めた。
「結った方がよいですか」
視線をこちらに戻して、トゥーアナが問う。紫の双眸の奥底が、微苦笑を含んできらめいた。
「さぁ。いつも結っても上の方を少しだけだろう。どうかと思っただけだ」
「結いあげると肩がこるんです」
「そうなのか」
「さぁ」
口真似をしたトゥーアナは、可笑しそうに笑みをこぼして、目線を手元の手紙に戻した。
結うでもなく流された背にかかる長い髪は、昼の光を受けて、淡くほころぶ。
細い指先が紙を繰る。かさり。重なる二枚の紙が、ささやかに部屋中に響いた。
「こうしていた方が、風が吹いたときに、髪が風にそよいで気持ちがよいのですよ」
「そうなのか」
思わず真面目に聞き返すと、トゥーアナは「さぁ」と含み笑いをする。
「どうでしょう」
「どうなんだ」
問えば、答えを返すように、風が窓から吹き込んだ。
トゥーアナの髪が風を含んで、ふわりと膨らむ。
やがて、静かに落ち着いて、背に流れはじめた髪に、トゥーアナは顔を上げてひそやかに笑んだ。
ふと。そう思って口にした。
椅子に軽く腰掛けて、手紙を読んでいた彼女は、面をあげる。
意外だったのか、虚をつかれたような顔をしているトゥーアナは、いつもにも増してひどく素面に見えた。
「髪を、ですか?」
そうだ、と顎を引く。
トゥーアナは考えるように首を傾げた。
耳に掛けられていた淡い金色の髪が流れて肩にかかる。
開け放たれた窓から迷いこんだ風が、ゆるやかに部屋の中を巡った。
絶え間なくたゆたうカーテンに、気を盗られたのか、トゥーアナは光の差し込む窓に向けた目を一瞬細めた。
「結った方がよいですか」
視線をこちらに戻して、トゥーアナが問う。紫の双眸の奥底が、微苦笑を含んできらめいた。
「さぁ。いつも結っても上の方を少しだけだろう。どうかと思っただけだ」
「結いあげると肩がこるんです」
「そうなのか」
「さぁ」
口真似をしたトゥーアナは、可笑しそうに笑みをこぼして、目線を手元の手紙に戻した。
結うでもなく流された背にかかる長い髪は、昼の光を受けて、淡くほころぶ。
細い指先が紙を繰る。かさり。重なる二枚の紙が、ささやかに部屋中に響いた。
「こうしていた方が、風が吹いたときに、髪が風にそよいで気持ちがよいのですよ」
「そうなのか」
思わず真面目に聞き返すと、トゥーアナは「さぁ」と含み笑いをする。
「どうでしょう」
「どうなんだ」
問えば、答えを返すように、風が窓から吹き込んだ。
トゥーアナの髪が風を含んで、ふわりと膨らむ。
やがて、静かに落ち着いて、背に流れはじめた髪に、トゥーアナは顔を上げてひそやかに笑んだ。
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